セルモの教室長BLOG

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挨拶をしない?出来ない?

大勢の生徒さんに日々来校して貰っていますが、こちらが元気よく挨拶をしてもいっこうに返事を返さない生徒がいます。

反抗期なのか、恥ずかしいのか、声を出すのが苦手なのか、それぞれの生徒に事情があります。こういった生徒さんは授業でもなかなかコミュニケーションが難しいところがあります。解けない問題について、分からない箇所を聞こうとしても一切何も答えない場合が多いです。一つひとつポイントをチェックしながら解説して、どこのポイントがはっきり理解出来ないか詳細に指導しても返答は一切ありません。

特定の講師の事が嫌いならばまだ分かりやすいのですが、どの講師がアプローチしても同じ状況の場合がほとんどです。こういった生徒さんの中には、「場面緘黙症」と言って特定の場面ではコミュニケーションが難しい症状をお持ちの場合があります。家では会話が出来るが、学校や塾では会話が出来ない症状です。その逆もあります。お父さんの前では会話が出来ないが、塾や学校では出来る・・といった具合です。

この場面緘黙症というのは、どういったことが原因で発生しているのでしょうか?実は医学的にはっきりと原因は分かっていないようですが、脳の機能の一部が「リスク(失敗)」に対して行動を止めてしまう作用があるのでは?と言われています。また、本人の気質や家族の気質(遺伝的要素)、言語障害、新しい環境や文化への適応の問題、家族以外の人間と関わる頻度など、いくつかの要因が挙げられています。

2〜5才くらいに症状が出て、その後専門家による適切な対処を行えば比較的短期間で症状は治まるようですが、放置するとその後の大人にかけての人格形成にも影響を及ぼすので、症状が判明した際は早めに対応が必要のようです。ただ、「場面」なので、家では症状に気付かないケースもあります。

だから保護者さんは、学校や塾、習い事などでお子さんがどういうコミュニケーションを取っているのか、情報を集めておく必要があります。当教室では、極力早めにコミュニケーションの問題点についてはお伝えするようにしています。ただ医療機関ではありませんので、治療は出来ません。コミュニケーションカードを使ったり、コミュニケーションの工夫は出来ますが、やはり専門家にきちんとした対応をしてもらうことが必要です。

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2016.07.21

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