境界知能、発達・学習障害かどうかで悩んだ場合は・・。 [代表:宮谷]
最近Blogではあまり書かなかったのですが、昨日とある保護者さんからご質問を受けたので、「境界知能」について少し書きたいと思います。
過去のBlogでも取り上げたことがあります。
【境界知能】への理解を深めましょう。 [代表:宮谷]
未だにアクセスが多く、それだけ興味・関心がある方が多いのだと思います。
境界知能自体については、上記のBlogに書きましたのでそちらをお読み下さい。
さて、「うちの子は境界知能では無いか?勉強で極端に理解出来ないところが多いし、忘れ物が毎日のようにあり、伝えていることが理解出来ないことも・・。」とお悩みの場合はどうすれば良いか。
結論としては、悩んでいる時間がもったいないので専門機関で相談をし、相談結果に応じた検査を受けて下さい。
学校の先生に相談をしても、先生も専門家ではありませんので、専門的な研修を受けていない場合は、わからない方も多いです。
比較論でお話される方も多いので、「もっと◯◯な生徒さんがいますよ。」というコメントでお茶を濁されるケースもありますね・・。
小中学生であれば、教育センターの教育相談で具体的な状況を伝えて頂き、検査を申し込んで下さい。
検査はいくつか種類がありますが、現在主に利用されているのはWISCと呼ばれる検査です。バージョン5が最新版になりますが、非常にわかりやすくお子様の問題点を分析してくれるツールです。私も検査結果は何度も見ていますが、「まさにその通りだな。」と感じることがほとんどです。
保護者さんが相談してから、結果が出るまで早くても1〜2ヶ月は掛かります。
それだけ悩む期間も長くなるし、教育センターも混雑している場合も多いので、相談するなら早めが良いです。
検査結果が出たらどうするか・・。
今度は検査結果を元に、ご家庭(ご夫婦)で方針を決めて下さい。
例えばワーキングメモリと呼ばれる記憶を司る能力や、言語処理という言語を理解する能力に課題がある場合は、現在の国が定める指導要領の内容を全部理解し覚えていくのは結構難しいと思います。
そうであれば、
「結果は問わず、生徒さんが頑張った分だけ褒めてあげる。」
「本人の好きな、興味のある科目を中心に頑張ってもらう。」
と、全方位的な結果や努力を期待するのではなく、能力に見合った方向性に導いてあげるのが良いでしょう。
また、コミュニケーションにおいても、
「出来るだけゆっくり、本人が解釈出来るように繰り返し伝えてあげる。」
「言葉ではなく、メモを書いてあげるようにする。」
といった工夫が必要になるでしょう。
一方で現実的な話もあります。
どうしても学校の成績や通知表は悪い結果になるので、学校の先生にも検査結果をお伝えしてコミュニケーションや指導上の配慮を受けることが必要です。
出来れば担任の先生だけでなく、学年主任や副校長(教頭先生)などにも同席してもらったほうが良いでしょう。
担任の先生が一人で抱えて、他の先生に伝わらないこともあります。
他の家族や親戚へも一定の配慮が必要でしょう。
心無い一言で傷つく場合もあります。あとは本人への伝え方です。検査に行く場合や、検査結果が出てからの対応については、必ず教育センターのカウンセラーの方に確認を取って下さい。
次に考えないといけないのが進学先の検討です。
小学校や中学校の勉強についていけないということは、当然ながら高校の勉強にも苦労します。
より自信を無くしたり、単位が取れず留年になってしまったり・・、そういったことも有りえます。
そういった生徒さんを配慮してくれる学校があります。
都立高校だと、八王子拓真・蒲田高校・秋留台高校などがそれに該当します。
私立高校でも、星槎学園などいくつかの選択肢が出てきます。最近ではN高校など通信・ネットの学校も出てきました。
どこが良いかは、生徒さんの課題に応じて変わってくるので、一概には言えません。
配慮のある学校に進学すると、やはり生徒さんのお悩みを理解している先生や同級生がいるので、安心して過ごせるようです。
当教室からそれらの学校に進学された生徒さんの多くが同じ感想を言っています。
ただ、課題としては上記のような学校は倍率が高い場合もあり、それだけ同じお悩みで悩んでいる方が多い裏返しであります。
受験内容も一般的な受験とは異なってきます。詳しくは各教室までお尋ね頂ければご説明させて頂きます。
結論としては、境界知能や発達障害・学習障害に悩まれた場合は、
「正しい相談・検査・分析」
「検査結果に合わせた配慮」
「生徒さんの特性に合わせた進学先」
ということになります。
是非、ご参考にされて下さい。