忠生教室

Selmo Blog

分数恐怖症? [講師・森川]

ここ数日、台風のニュースでもちきりですね。もちろん台風も気になるところですが、中学校の生徒さんが今一番集中しなければならないのは、間もなく始まる中間テストです。

数学では、1年生は1次方程式、2年生は連立方程式と1次関数、3年生は2次方程式と2次関数の学習に励んでいます。


いずれの学年も、毎年つまずく生徒さんが非常に多い単元なので、我々講師陣は常に生徒さんの状況に気を配りながら授業を進めています。


そんな中、つい先日、ほぼ同じタイミングで同じミスをしている生徒さんを3人確認しました。1年生ひとりと2年生ふたりなのですが、1次方程式の解を求める問題で、全員同じ間違いをしていました。


複雑な1次方程式を順に解いていって、最終的に

   2x=1

の形になったあとの処理です。いずれの生徒も、

   x=2

としていました。


正しい答えは x=1/2 なのですが、そうなることを指摘すると2年生の生徒さんはふたりとも「えー、分数やだー」と、まったく同じ反応でした。


これが例えば

   2x=4

であれば、xの係数の2で両辺を割って、

   x=2

となることは、どの生徒さんもきちんと理解できています。

しかし、3x=2 となると、どう処理していいか分からなくなる生徒さんが多いのです。


今までは、単純に答えが分数になることが分からないのかと思っていましたが、先日のこの生徒さんたちの間違いを目の当たりにして、分数が苦手な生徒さんは、答えが分数になることを無意識に避けてしまうのかもしれないと感じました。


答えを分数にしたくないから、2x=1を、強引にx=2としてしまう。


どの学年の生徒さんにもあることですが、いろいろな計算問題を解く中で、整数や小数の問題はそれなりに解けても、分数の問題になると急に解けなくなることが多いです。大半の生徒さんが分数を苦手としていて、中には、分数の問題を見た瞬間に、解くことを完全に放棄してしまう生徒さんさえいます。

いま小学5年生で、ちょうど分数の約分や通分を学習している生徒さんがいます。とてもよくできる生徒さんで、ここまでの学習はかなり順調だったのですが、ここにきて少々苦戦しています。それだけ、約分や通分は高いハードルだということですね。じっくり時間をかけて学習を進めています。


また、6年生でこの生徒さんに近いところをさかのぼり学習している生徒さんもいるのですが、この生徒さんも通分・約分の前段階である、公倍数と公約数の考え方で少々苦戦しています。約分・通分がうまくできない生徒さんは、公約数と公倍数の概念の理解が不十分なのは間違いないでしょう。


セルモ町田代表の宮谷がいつもお伝えしているように、算数・数学は「基礎知識の積み重ね」がとても大切です。


分数の学習は小学4年から始まりますが、5年で習う通分と約分の理解が不十分なまま中学に上がってきてしまう生徒さんがとても多い印象です。


おそらく小学校で十分な学習時間が確保できていないのでしょう。じっくり時間をかけて学習すべき単元なのに、時間を割けない。だから理解が不十分なまま中学生になってしまう。そんな学校事情が、多くの中学生を分数恐怖症にさせているのですね。


いま小学5年生、6年生で分数に少しでも不安を感じていたら、早めの対策が必要です。分数を理解しないまま中学に上がってしまうと、多くの単元でつまずくことになります。分数が苦手な生徒さんは、割合・速さ・平均など「中学校の文章題を解くために必須の知識」も必然的に苦手になるので、その影響範囲はとても広いのです。

小学校の課題は小学校の内に、しっかりクリアしておきたいですね。我々セルモの講師陣が、できる限りのお手伝いをさせていただきます。

2022.09.19

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