10日前に発生したリビアの洪水ですが、日本でも報道がされていますがあまり注目されていません。
(NHK国際ニュースナビより)
よって本Blogでも取り上げてみたいと思います。
まず、現在の集計では約4,000人の死者が出ています。行方不明が約9,000人ということです。この人数は今後も増えていくだろうとのことです。
リビアの場所はアフリカ北部です。エジプトとアルジェリア・チュニジアに挟まれた場所に位置しています。面積は日本の約4.6倍です。
(Map dataより)
人口は673万人で、言語はアラビア語、宗教はイスラム教のスンニ派です。
2011年にかの有名な「カダフィ政権」が崩壊し、その後しばらく政治的な混乱や内戦が続いていましたが、2021年に暫定国民統一政府(GNU)が成立しています。しかし、あくまでも暫定政権で、政治的な対立はその後も続いています。
主要な産業は石油・天然ガスの輸出です。アフリカ1位の石油埋蔵量と言われていますが、内戦の影響で経済的に大きな影響を受け、失業率も20%近くあると言われている国です。
(NHK 国際ニュースナビより)
洪水の原因は9月10日から振り始めた大雨の影響で、11日から各地で洪水が起きました。その後、東部の都市デルナでは上流の二つのダムが決壊し、大量の水が市街地に流れ込んだわけです。
(NHK 国際ニュースナビより)
大雨が降った原因は、「メディケーン」と呼ばれる、台風のような低気圧によってもたらされた大雨が原因と言われています。リビアの上部にあるギリシャで発生し、その後南下してきて今回の大災害になったとのことです。このメディケーンは稀にしか発生しないようですが、昨今の地球温暖化要因(偏西風の蛇行、エルニーニョ現象)により、凶暴化してしまっているようです。
(NHK 国際ニュースナビより)
また政治的な混乱が長年続いているので、インフラ整備もきちんとされていないことも被害を大きくした原因と言われています。また、災害発生後の救助体制も、首都トリポリを拠点とする暫定政権と東部トブルクを拠点とする勢力が併存しており、国家の分裂状態が救助活動を複雑にしているとのことです。
いま地球規模で温暖化による影響で、日本を含めた世界各地で災害が起こっていますが、災害を最小限に留めるためのインフラ整備、災害が起こったあとの救助を円滑に行うための政治体制など、様々な要因が影響していることがわかります。
赤十字の2023年リビア洪水救援金はこちらから
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/2023libya/