なぜ学力改善が進まないのか、もう少し詳しく説明・・ [代表:宮谷]
先日は、最近の小学生・中学生の学力改善には、「語彙力の強化」が大事、特に数学の「さかのぼり」学習が大変であることをBlogに書きました。学習指導要領の改定が大きく影響しています。
アクセス数が多かったので、それだけ保護者様の関心が高いのだと思われます。もう少しこの件について追加で書きたいと思います。長文になりますが、引き続き読んでくださいね。
さて、今の学習指導要領に、どのように生徒さん達が苦戦されているのか・
この9月、中学生は数学ではどの学年も「方程式」や「関数」を学習していますが、これらの単元はそれまで学習してきた「4つから5つの要素」の集合体である単元なので、全ての要素をきちんと理解していないと解けません。
学習する側だけでなく、指導側も大変な単元です。生徒さんの理解状況がそれぞれ異なるので、一言でアドバイスが終わる生徒さんもいれば、複数の要素をそれぞれ噛み砕いて、ワンステップずつ理解を確かめながら、生徒さんが分かるように指導しなければいけない場合もあります。もちろん大変と言っても、我々は培った経験で、生徒さんの理解度に合わせて適切な内容でアドバイス・指導します。なかなかご家庭では難しいと思います。
ただ、時には全ての要素を噛み砕いても、「それぞれの要素の源流」がわからない生徒さんもいるので、その場合はその源流にさかのぼり、まずはひとつの要素を分かるまでトレーニングしていく必要があります。例えば、方程式を学習しようにも、分数や小数がわからない場合ですね。
小学生でも、5/6年の学習で悩まれている場合は、ほとんどの生徒さんが小学2〜4年生の内容の理解が曖昧です。復習の範囲は中学生以上に広くなります。
例えば、4年生の小数の学習をしようとすると、問題の中には「距離・重さ・水かさ」など2年生・3年生で学習した単位変換が関わってくるものがあります。その時に、1dl=100mlと理解していないと問題を解くことが出来ません。今の学習指導要領は、「つながり学習」と言って、小数のルールだけを理解しておけば良いというものではありません。だから、保護者さんは「小数がわからないんだ。」という視点で見るのではなく、「小数とその関係する単元がわからないんだ。」と捉えてあげる必要があります。生徒さんの心の中では、まずは何から手をつければよいのかわからない・・。そういう感じです。
このようにわからない箇所を分析して復習するにしても、コツコツ積み上げていく必要があるので「数日で終わる」ということはありません。生徒さんのやる気や気合だけでも解決出来ない問題なので、学習改善のメソッド・時間・環境を保護者さんが率先して用意していく必要があります。
そういう意味では、やはり早いうちから「先取り」学習するのが一番ですね。昨日の夜も、中学2年生の男子生徒さんが、「小学校ではサッカーばかりやっていたけど、もうちょっとバランスを考えるべきだった・・。」と後悔の念を私に伝えてくれました。
まずはその考えを持てたのが良かったので、生徒さんには「それはそうだけど、タイムマシンは無いから、今目の前のことを頑張ろうよ。そのうち、全てが繋がるから。」と伝えると、その後とても集中してくれました。
数学だけではありません。英語も大変です。
いま多くの中学生が英語の「さかのぼり」学習に取り組んでいますが、その原因の一つに中学校の英語の授業が「英語だけで行われている(オールイングリッシュ)」ケースが増えてきていることにあります。
学校の先生により、英語と日本語を交えてやっていらっしゃる方もいらっしゃいますが、基本的にはオールイングリッシュで行われる方向性です。
生徒に感想を聞くと、「何をやっているのかわからない。」「なんとなく過ごしているだけで、授業が早く終わらないかなと感じている。」このように言う生徒さんが多いです。
よって、その英語がどういう意味を持つのか、文法や語順のルールは?など、何もかもわからないまま時が過ぎ去っている・・というのが実態かもしれません。そのような流れがあるので、ここ数年の英語の定期テストの上下差は非常に顕著になってきました。
もちろん、自ら参考書や問題集をチェックし、理解に努めている生徒さんもいるでしょうが、なかなかそこまで積極的な生徒さんは少数です。もしくは、小学校から英会話を本格的に習っている生徒さんは、先生の言っていることが理解できるかもしれません。
対処方法としては、そのようなお悩みがあり入塾してこられる生徒さんの多くが、文法も単語も理解していない・覚えていない状況ですので、基本的には一からやり直すことになります。数学以上に英語の復習は時間が掛かるので、やはり小学校からの「さきどり」学習が欠かせません。
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できれば、小学校4年生からはその先取り学習に取り組んでおきたいところです。先取り学習の余裕こそが、生徒さんの「自信・成功体験・自己肯定感」に繋がります。長文お付き合いありがとうございました。