コロナが発達障害のお子さんに与える影響 [代表:宮谷]
昨日は学習と関係無いBlogでしたので、今日は学習に関係ある話題にしたいと思います。
長期化する新型コロナウイルス、すでに昨年の1月からと考えると1年4ヶ月です。
日本国内のワクチンの普及はあと3〜4ヶ月掛かるでしょう。町田市内も多くの医療機関の協力、比較的規模の大きい模接種会場の設置が進んでおり、前倒しになるかもしれません。
しかし、経済の回復には、海外の様々な国との交流や貿易も必要でしょうから、含めると、あと1年位は影響が収まらないと考えます。
さて、コロナ渦でお子さんたちのが様子を見ていると、一番影響を受けているのは発達障害をお持ちの生徒さん達かなと思います。
まずいちばん大きいなと思うのが、マスク着用です。
発達障害の生徒さんは、マスク着用が苦手な方が多いように感じます。おそらく呼吸量が確保出来ずに苦しくて、どうしても外してしまうのだと思います。また、マスクのさわり心地や感触が嫌な人もいるでしょう。学校でも学習塾でもそうですが、生徒さん自身の安全を確保するために、あらゆる場所で着用を促されてしまいます。
この周囲の促しが、生徒さん自身にとってストレスになっているのだろうなあ・・と思います。ご家庭でも、生徒さんにあったマスクの素材や形状を模索されたりしていると聞いていますが、なかなか難しい問題です。
マスクだけでなく、手指の消毒や手洗などが苦手・忘れてしまう生徒さんもいます。「◯◯君、手洗を忘れているよ?」と声を掛けるときも、この声がけが本当に良いことなのか自問自答します。
次に、遊ぶ機会や場所が減っていることです。特に、多動性障害を持っている生徒さんは、動くことでストレスを発散しているようですが、機会が減ってストレスが溜まり、周囲の環境にうまく適合できず発達障害の特徴が強く出てしまうようです。
実際に、来校されている生徒さんの中で、発達障害をお持ちの生徒さんとお話すると、「あれが駄目と言われた。」「友達が遊んでくれない。」などの愚痴を言う生徒さんもいます。
「もう少しの辛抱だよ。」と我々も言うのですが、すでに1年以上、辛抱の限界を超えています。もっと思い切り走り回り、楽しく生活したいですね。
学習面でももちろん影響を受けています。昨年は、学校の休校が2ヶ月あり、その後の学習ペースは非常に早くなりました。学習面で課題や障害を持っている生徒さんにとっては辛かったでしょう。ただでさえ、学習を苦手としているのに、ペースが早まるとついていけません。
休校が無いとしても、今の学校の学習ペースは早いです。学習指導要領や教科書の変更で、学習すべきボリューム、その難易度とも高まっています。つまり、発達障害や学習障害を持っている生徒さんを、環境面で追い込んでいることになります。
どこかで心理的な負担を下げて上げないと、ストレスが貯まる一方で、いつか爆発します。セルモに来られている生徒さんには、板書量を減らすために専用のプリントを使ったり、場合によっては難易度の高い単元は、学習を一旦保留にするなど、ケースバイケースで対応するようにしています。
ただし、学校では普通級にいる限りは、対応は画一的です。昨年某中学校の3学期学年末テストの社会や理科のテスト範囲が1教科150ページ近くありました。国で定められたカリキュラムであること、また受験で出題されるから、様々な事情があるのはもちろんわかりますが、彼らに150ページの学習は対応出来ません。発達障害が無いとしても、難しいですよね。
この他にも、様々な影響があると思います。子どもたちに責任はありません。すべて大人の責任です。
彼らのストレスを下げることをできるだけ実践していきたいと思いますが、それは何よりも、コロナの影響の無い社会生活を1日でも早く取り戻すことです。そういうことを考えると、一人ひとり自覚のある行動を取っていきたいですね。