来春から中学校の教科書が改訂されます。
どの程度の改訂かというと、ずばり! 「大幅改訂」です。
前回の大幅改訂は2012年で、移行期の生徒さん達は、学習についていけませんでした。
なんせ、前回は「ゆとり」からの脱出がテーマで、約47%も教科書のページ数が増えましたので・・。
(当時の記事が残っているサイト)
小学校で相当しっかり勉強していた生徒さんを除き、定期テストや受験に対応出来ない生徒さんが大量に出たのを記憶しています。その影響は、実は今も続いていて、そのボリュームに対応出来ない生徒さんが多いです。
今回の改訂は、ページ数では流石に47%の増加ではありませんが、内容の前倒しによる難度化により、当時と同じような状況になるのではないかと危惧しています。いや、おそらくそうなるでしょう。
主な改訂内容は下記の通りです。複雑な改訂内容を、「もの凄く省略して」まとめました(笑)。
※詳細を知りたい方は、下記リンクをクリックして下さい。
FY20201222中学校教科書改訂まとめ
①学習量が増える
(特に英語が増える)
・英単語が4年間で約400語増える(1,200→1,600語)。
・教科書本文の文章量が増える。
②学習内容が前倒しになる=難度化する
(やはり英語が前倒し)
・1,600語の単語のうち、約600語は小学校の復習扱い。
・今までの中学1年生1学期の内容(be動詞、一般動詞など)は、小学校の復習扱い。
※つまり学校の授業では詳細に説明されない。
・高校1年生の英文法の一部が中3に入ってくる(現在完了進行形、原形不定詞、仮定法など)。
(その他)
・数学、理科、社会も一部高校生の内容を前倒し。
(国語は特に・・)
・大学共通テストを前提に、思考力、判断力、表現力が試される内容に変わります。
結論をざっくりいうと、まず英語はヤバいです。小学校6年生の現時点(12月)で、be動詞や一般動詞、canなどの基本的な助動詞等の文法、数字や月日・曜日などの基本単語が分かっていない人は、中学校の英語に全くついていけないと思います。
現状でも、英語が苦手な生徒さんのリカバリーには数ヶ月下手すると半年以上の期間を要しますが、今度の英語の教科書改訂は、「英語のリカバリーは諦めざるを得ない」生徒さんも出てくるかもしれません。
他、数学は小学校5/6年生の内容をほぼ完全に理解していないと、なかなかついていけないと考えます。小学校は今年から教科書が変わっていますが、明らかに算数は内容が凝縮され難しくなっていますからね。
理科や社会はそれほど大きく変わりませんが、現状でも覚えるべき量がとても多く、復習に相当な時間を要します。
いずれにせよ、現状も小学校・中学校ともに学力差がとても開いている現状がありますが、ますますその傾向は強くなると思います。
我々学習塾も、今までの授業時間の感覚では、内容が終わらない可能性も高く、生徒さんには時間をしっかり取って頂けるよう、ご提案をしていく必要があるなど、変化を求められることは間違いありません。