文章・語彙の読解が苦手な生徒さんの原因・改善法 [代表]
1学期も終わりに近づくと、セルモからの授業報告で「文章の内容を正確に把握出来るよう、慎重に内容を読み解きましょう。」や「文章の一つ一つの言葉の意味を理解することが大切です。分からない場合は辞書引きして意味を調べましょう。」など、読解や語彙に関しての指摘が入ることが増えます。
これは、算数や数学では、最初は「数字の概念」や「基礎計算」から各学年の学習が始まり、各学期の後半に入ると、文章題や読解が必要な要素が増えるからです。
小学校では「考える力を伸ばそう」や「算数をつかって」、中学校では「◯◯の利用」という単元に該当します。
現在の学習指導要領(国が定める学習の方針や内容)は、「思考力」を強化することが主眼におかれており、その影響でこれら単元の量が増えており、各生徒さんの大きな壁になっています。
小学校の先生によっては、基礎計算に8割・9割の時間を取り、そういった思考力が必要な単元にあまり時間が割けていない場合があります。お子さんが自宅に持って返ってくるプリントが、計算プリントばかりの場合は、その可能性が高いです。
もちろん、これには理由があり、基礎計算自体も難しくなっているので、まずはそこをきちんとクリアしなければ、それ以上の難易度の単元に対応出来なくなるからです。
しかし、読解が必要な単元をきちんと習得しておかないと、学年が上がれば上がるほど厳しい局面に生徒さんは置かれます。
4年生後半くらいから、問題を目の前にして固まる生徒さんが増え始めます。
例えば、4年生後半の「違いに注目する(図表を使って考える)」という内容があります。いわゆる和差算で、和差算は昔は中学受験生しか勉強しませんでした。
例題:兄と弟はおばさんから1,000円のお小遣いを貰った。兄が200円多く貰った場合、兄と弟のお小遣いはそれぞれいくらか?
この問題を解けない生徒さんの場合、指導のポイント(=生徒さんがつまずいている可能性が高い箇所)は以下の通りです。
①お小遣いという言葉を知らない。
②兄が200円多く貰うという意味が理解出来ない。
③文章に書いているそれぞれの言葉の意味は分かるが、何を求めるのか、どう進めるのかイメージが付かない。
④文章題は嫌いだから、解きたくない・拒否する。
各生徒さんが、何故解けないのか、どこでつまずいているのか、生徒さんとのコミュニケーションを通じ、講師は短時間で判断していく必要があります。
例えば①や②で悩んでいる場合は、解法を説明しても理解は深まりません。
先日指導した生徒さんの場合、②の「多く貰う」という状態がどのような状態かイメージがついていなかったので、100円玉の絵を書いて説明したところ、大きくうなずいてくれました。
保護者さんからすると「え〜?そこですか、理解出来ていなかったポイントは?」と仰るかもしれませんが、保護者さんの予想外の箇所でつまずいている生徒さんは意外と多いです。
そういう意味では、普段から語彙や表現の理解を積み重ねる必要があります。
語彙や表現を理解するのは読書が最適ですが、読書しただけでは改善されません。分からない語彙や表現をきちんと調べる必要があります。
そのための国語辞典・漢字辞典です。辞書引き出来るようにトレーニングしましょう。
また、何度かblogでも紹介していますが読解力改善のための専用教材やカリキュラムもあります。
ただし、読書もカリキュラムも短期での改善は難しいです。半年・1年と積み重ねて改善出来るものです。
そういう意味では、なるべく小さなころから読解力・語彙力を学ぶ時間の確保をしておきたいものです。