過眠病(ナルコレプシー)の新薬実用化へ前進! [代表:宮谷]
医療関係のblogが2日連続続きます。
昨日、日本経済新聞にGoodニュースが発表されていました。
武田薬品やエーザイ、「居眠り病」の新薬実用化へ前進
「居眠り病」は正式には過眠病と言い、過眠病の一つに「ナルコレプシー」という昼間や夕方に突然前触れもなく居眠りしてしまう病気があります。
私も学習塾の仕事をするまで、この過眠病の存在を知りませんでした。
しかし、登校直後の生徒が椅子に座った瞬間に居眠りを始めるケースを見て、「あれ?寝不足でも、これだけ頻繁に寝てしまう事があるのか?これは睡眠不足とかそういう話ではなく、病気なのではないか?」と思い始めたのが、この病気を知るきっかけでした。
漫画”ドラえもん”の主人公のび太が、座布団を床に投げて、そこに倒れ込んだ瞬間に昼寝を初めてしまうシーンがありましたが、まさにそれとほぼ同じような状況で、椅子に座る途中で、すでに目を閉じている感じです。
15-20分仮眠を取ってもらったり、外の空気を吸いに行ってもらったり、飴やガムを配っても効果は薄く、何も声を掛けないとそのまま1時間でも2時間でも寝続けてしまいます。
一度、季節講習中に寝てしまった生徒さんは、昼過ぎに登校し直後に入眠、そしてその後4時間以上夕方まで寝てしまったこともあります。途中で起こしましたが、脱力感が強く立ち上がることが難しかったので、そのまま自習スペースで寝続けた・・結果です。
保護者さんの多くも、以前は過眠病に対する認識が無く、単に「寝不足」と思ったり、お子さんの「やる気や気力」の問題と判断してしまう場合も多く、状況を伝えるのに大変苦労しました。
しかし、最近では睡眠外来も増えてきて、世間的に少しずつ認知されてきました。
日本ナルコレプシー協会さんなど、この病気で苦しみ活動されている方々の努力もあったかと思います。
病気の症状や実際にこの病気の方々の声は下記から御覧頂きたいですが、
◯日本人に多い病気(約600人に1人)
◯発症年齢は10代から20代前半に集中しており、特に14~16歳にピーク(まさに、私が見た仮眠病の生徒さんも、ほとんどこの年齢層)。
◯日中の強い眠気以外にも様々な症状(特に情動脱力発作→私も何度も見ています)。
声にもある通り、なかなか周囲に理解されず苦しんでいる方が多いです。
私が最近出会った過眠病の生徒さんも、専門病院で診察を受けると、夜間の睡眠時無呼吸症候群と過眠症の症状を併発しており、すぐに治療が必要と言われ保護者さんも「もっと早く気づいてあげればよかった。」と仰っていました。
実はこのナルコレプシーは、脳の覚醒を促す脳内物質「オレキシン」が何かしらの原因で不足し、眠りに入ってしまうのです。それ自体は判明していたのですが、対処療法的な治療はあったのですが、明確な治療手段がありませんでした。
この武田薬品の開発した新薬も、数年前に発表されていましたが、少し開発が停滞していました。しかし、その後も根気強く取り組まれ、今回の発表となったそうです。
2027年の承認を目指すということですから、あと3年です。この症状で苦しむお子さん達は、自信を無くし、生きづらさを感じている人も少なくありません。
そういう意味では、もっと早く承認がされることを願うばかりです。