保護者さんが思っている以上に、内容は難しく多い! [代表:宮谷]
いよいよ鶴川中学校の定期テストが来週に迫っています。他の中学校も2週間から20日前を切りましたね。
すでに9科目の範囲の勉強と仕上げが終わった生徒さんもいれば(今日以降、何を勉強しようかね・・と昨日相談。)、そうでない生徒さんもいます。
当たり前の話なのですが、準備期間をしっかり取った生徒さんほどその準備は進んでいます。
ワーク勉強会や、テスト対策授業を有効に活用してくれていることはもちろんのこと、昨年から流れを作ってきたことや、自宅での学習時間もしっかり割いてくれています。保護者様のサポートもありがとうございます。
一番の障壁は、今の中学校の各科目のボリュームと難易度です。
例えば、今回鶴川中学1年生の数学は範囲が約50ページですが、「50ページもあるの?」と思われるかもしれませんが、実はこれは予想よりもかなり少なかったです。
数学の教科書は約280ページあるので、年間4回のテストで均等に割ると70ページずつは進めていかなければなりません。
そういう意味では、2学期以降のテストにしわ寄せがいきます。
その50ページですが、正負の数の四則演算がテスト範囲の中心です。
保護者さんの年齢により分かれるのですが、この正負の数の四則演算は、保護者さんが習っていた解き方と今は違います。
特に加法と減法については、今の中学生は二通りの解き方で習っています。仮に第一解法と第二解法とすると、私も含めて40代以降の保護者さんであれば第二解法しかご存じないと思います。
例題を出してみます。
☆24+(-8)-(-41)
整数の正負の数の加法と減法が混じった計算ですが、
☆第一解法で解くと…
24+(-8)-(-41)
=24+(-8)+(+41)
=+(24+41)+(-8)
=+65+(-8)
=+(65-8)
=+57
となります。「え?何、この解き方?」と思われるかもしれませんが、これが中学1年生の最初にならう解法です。
☆第二解法で解くと…
24+(-8)-(-41)
=24-8+41
=24+41-8
=65-8
=+57
となります。多くの保護者さんが認識している解法はこちらです。
答えは同じになるのですが、数学は様々な解き方があることを知ってもらうのと、正負の数の構造を理解するために、第一解法があります。
ただ、国が定める学習指導要領がそのような趣旨で作られていても、中学1年生にとっては数学の冒頭で「混乱を招く」要因になっていることは間違いありません。
ちなみに、数学1年生の一番最初は「素数」と「素因数分解」です。「え?素数って、中学1年生で勉強しているの?」こちらも、それを知ると驚かれる保護者さんが多いのですが、素数とこの加法と減法で混乱して、その後数学の授業は一切主体的に受けなくなる生徒さんが非常に多いです。学校では教室の窓の外を見て、時間を過ぎ去るのを待つようになります。
上記の加法と減法でいうと、学校の先生により「どちらで解いても良いよ..」という先生もいれば、「加法に変換する方法で答えよ..」と問題で指図してきて、途中式を確認する問題を出す先生もいるので、一応両方の解法を知っておかなければなりません。
つまり、「生徒さんが混乱することを前提とした」学習時間が必要ということです。全く混乱せず、習った解法をスムーズに展開出来る生徒さんもいますが、多くの生徒さんが一度は混乱します。
一度で済めば良いですが、3回・4回・・と混乱し続ける生徒さんもいますので、指導側も根気強く丁寧にサポートしていく必要があります。当然、学校ではそこまでは難しいので、塾側で時間を割きます。
なお、「混乱する生徒さんはどういった生徒さん?」なのかというと、二つの明確な特徴があります。
1つは、小学生の時から暗算を多様して、途中式を書く習慣が身についていない生徒さんです。K式やフラッシュ暗算・タブレット学習等をやっていた生徒さんにその傾向が強いですが、中学校の数学は暗算がほぼ難しい問題設計になっているので、上記のように必ず式を丁寧に書く必要があります。
しかし、式を書く習慣が無かった生徒さんにとって、その習慣を身に付けることは大変厚い壁となります。理由は「面倒」だからです。思春期の生徒さんにとって「面倒」は一番の大敵です。
2つめは、分数と小数の構造や計算を理解出来ていない生徒さんです。特に、分数と小数の相互変換と、分数の通分やよく分かっていない方は、かなりの苦戦が待ち構えています。上記の例のように整数の問題だけであれば良いのですが、分数・小数・括弧などが複雑に絡み合う問題もあります。