大統領と首相の違いを把握しておこう! [代表:宮谷] 皆さんご承知の通り、韓国では今週尹錫悦大統領が3日に「非常戒厳」を宣言し政治が混乱しています。軍隊や装甲車が国会を囲み、異常な雰囲気がありました。 また、フランスでも今週バルニエ首相率いる内閣の不信任決議案を賛成多数で可決し内閣が総辞職しました。 マカロン大統領が後任候補選びに入っているとのこと。 ドイツも1ヶ月前の11月上旬にショルツ連立政権が崩壊し、来春に総選挙を実施する予定です。 このように、日本の石破首相の誕生だけでなく、世界の大国の政治は混乱しています。 アメリカ大統領選も、トランプ政権が誕生することで、政権移譲チームが立ち上がり、引き継ぎの真っ最中でしょう。 そういう意味でも、ロシアによるウクライナ侵攻を含め、国際的な問題について議論出来るような状況では無い印象があります。 さて、それらの混乱はさておき、受験が近づいてきた中学3年生は、上記の文面にある「大統領」と「首相」の違いに着目しましょう。 実際に社会の過去問で出題されたのは、アメリカの大統領制と日本の議員内閣制度の違いが出題されるなど、ある程度の大枠を把握しておく必要があります。 簡単にBlogにまとめていきたいと思います。 まず、大統領と首相の違いですが、その前に理解しておく必要があるのが「三権分立」です。 ①立法権 新たな法律を制定する権利。担当するのは、国会(国会議員)。 ②行政権 政策を執行(執り行う)権利。担当するのは、首相+内閣or大統領+内閣。 ③司法権 裁判や違憲審査を行う権利。担当するのは、裁判所(裁判官)。 多くの民主主義の国では、この三権が分立(相互監視体制)して成り立っています。 この真ん中の②行政権を、大統領がリーダーとして行うのが大統領制、議員から選ばれら首相がリーダーとして行うのが議員内閣制です。 日本の場合、首相は国会議員から選ばれます。大臣は国会議員ではなくても良いのですが、首相は国会議員でないといけません。 つまり、皆さんが日本のトップリーダーを目指すながら、まずは国会議員にならないといけないということです。 この議院内閣制の場合、立法権の一部を担っており、行政執行をしつつも国会議員として法律を提出することも可能です。 一方で、大統領制の場合は、大統領は国会議員から選ばれるのではなく、国民の直接投票によって選ばれます。 逆に言うと国会での新任は得られていないので、議会を解散したり法案を提出したりすることは出来ません。 つまり、大統領は行政権についてのみ、大きな権限(他から影響を受けない)を持っているのです。 ここで不思議に思うのが、フランスのように大統領と首相両方がいる国もあります。 なぜ両方が併存するかは話が長くなるので割愛しますが、大統領は国民から選ばれるのはアメリカと同じで、大統領が任命した首相が政治の実務を担います。 最近大きな企業ではCEO(最高経営責任者)と、COO(最高執行責任者)という役割分担が主流になってきましたが、フランスの制度もこれに似ていると言えます。 国全体の先行きを考えたり、大枠の方針を決めるのが大統領で、政治の様々な実務を内閣や官僚を率いて行っていくのが首相と考えると良いでしょう。 カテゴリー: セルモの教室長BLOG 忠生教室 教室のこと 木曽教室 鶴川教室 2024.12.06