仮内申点分析を進める。 [代表:宮谷] 夏季休暇期間中に色々作業を進めています。 座布団の洗濯の話は昨日書きましたが・・、もう一つの作業として都立高校を志望する生徒の仮内申分析を進めています。 1学期の通知表のデータをもとに(送っていない中3生の生徒さんは至急ご送付下さい。)に、志望校の合格率データとの突き合わせを行っています。 夏季休暇明けに各生徒さんに書類をお渡ししようと思いますが、ここで合格率データの考え方を説明しておきます。 ※セルモ町田では晶文社さんのデータを参考にしていますが、データ参照元により多少数値が異なりますので予めご了承下さいませ。 晶文社さんのデータには、「60%合格率(見込みあり)」と「80%合格率(ほぼ確実)」の二つの指標があります。その二つの指標に対し、必要な偏差値・換算内申・当日の学力検査得点などが表されています。 一例で説明すると、今年も志望者が多い小川高校で説明します。 まず、男子生徒さんと女子生徒さんでは、数値が異なります。 都立高校は男女別募集の学校と男女混合募集の学校の2つがあり、混合の場合は指標は一つなのですが、多くの学校では男女別募集です。町田総合、若葉総合高校は混合募集なので、女子生徒さんのほうがどうしても学力が高く、女子生徒さんの割合が多くなってしまいます。募集方法は全国的には、男女混合募集になりつつあるので、いずれ東京もそうなっていくのでは無いでしょうか。 男女別募集の場合、おおむね女子生徒さんの指標が高い学校が多いです。 まず保護者さんや生徒さんが見ていかないといけない数値は、全部で7つあるとお考え下さい。 ①推薦倍率:推薦入試における倍率 ②一般倍率:一般入試前期における倍率 ③偏差値:標準偏差の値 ④換算内申:通知表の値を、主教科5科目×5+副教科(4科目)×5×2の65点満点で計算したもの ⑤調査書得点:④の換算内申を300点満点に変換したもの。計算式は換算内申÷65×300です。 ⑥入試得点:当日の入試得点を700点満点に換算したもの。計算式は500点満点×1.4倍です。 ⑦総合得点:⑤と⑥を合計したもの ※学校により調査書得点と入試得点の割合が異なる場合があります。 ※令和5年度入試より、⑦の総合得点にESAT-J(スピーキングテスト、20点)が加わります。 小川高校は、上記7つの指標で ①男子 2.18倍 女子 3.40倍 ②男子 1.40倍 女子 1.26倍 ③男子 60% 46 80% 49 女子 60% 45 80% 48 ④男子 60% 40点 80% 42点 女子 60% 42点 80% 44点 ⑤男子 60% 185点 80% 195点 女子 60% 195点 80% 205点 ⑥男子 60% 365点 80% 405点 女子 60% 350点 80% 390点 ⑦男子 60% 550点 80% 600点 女子 60% 545点 80% 595点 小川高校のデータを見ると面白いのが、偏差値は男子のほうが若干高いのですが、倍率は女子のほうが高いので、必要な換算内申や調査書点は女子のほうが高いという現象です。一昨年も女子生徒さんのほうが倍率が高かったので、女子生徒さんで同校を目指す生徒さんは、まずは必要内申点をできるだけ高めることに注力して下さい。 7つも指標があり、さらにそこに60%基準と80%基準があるので、生徒さんはなかなか理解が難しいところがあり、「志望校は子供の意向を重視しています。」とお考えの保護者さんは注意して頂きたいと思います。多くの生徒さんが、これらの数値を客観的に見ているわけではなく、学校の雰囲気や友達関係を中心に感覚的に捉えていることが多いからです。 もちろん生徒さんの意向は大事ですが、そこに保護者さんの冷静な目線を加えて欲しいと思います。 上記の指標で何が大事かと言われると「全部大事」です。 例えば、偏差値や換算内申の80%基準をクリアしていても、推薦倍率が4倍や5倍、一般倍率が1.8倍や2倍を超えてくると、指標を超えていても不合格になる可能性があります。 つまり、すべての値を総合的に見る必要があります。学校の定期テストと違い、受験の場合はおおむね同じような学力の生徒さんが受けに来るので、ちょっとした差で不合格になってしまいます。 ということからすると、倍率の高い学校へ偏差値や調査書得点が足りないのに受験することは自殺行為であると言えます。 あくまでもすべての数値を客観的に見て「余裕のある状態」で受験して下さい。 不安を払拭するには、都立の場合はとにかく勉強量を積むしかありません。5科目あるので、5科目の基礎学力を高めること(教科書レベルは理解出来るようにする)、そして受験レベルの問題をたくさん解いて、最後に過去問題で仕上げていくことが大事です。 カテゴリー: セルモの教室長BLOG 忠生教室 教室のこと 木曽教室 鶴川教室 2023.08.12