算数・数学が苦手な生徒さんの原因・回復期間 [代表:宮谷] 算数・数学に苦戦する生徒さんは多いですが、やはりその中の大半の生徒さんがその基礎となる分数・小数の理解が曖昧です。 特に目立つのが、計算としての分数・小数は何とか対応出来るけど、分数・小数の意味や概念が理解出来ていないケースです。分数・小数を概念からきちんと理解出来ていないと、中学校では計算だけでなく、文章題や関数・図形など、ほぼすべての単元に悪影響が出ます。 例えば、1/4は一つのものを4つに分けたうちの1つのことを指しますが、分数や小数が苦手な生徒さんに「1/4とはどういう数字のことを意味します?」と聞いてみると、意外と答えられない生徒さんが多いです。 また、1/4は小数の変換すると0.25です。では、3/4は小数に変換すると?と聞くと、答えに詰まる生徒さんが多いです。 3/4は1/4が三つ分なので、0.25が3つで0.75と考えればよいのですが、こういった関係性が理解出来ていません。 学校や家での計算トレーニングで、何とか「数処理」は出来るようになっているのですが、「数概念」が苦手なので「推論」することが出来ていないと言えます。 この「数概念」や「推論」はとても大事な要素です。 数学を得意にしている生徒さんは、最初からすべての問題の解き方がわかって解いているわけではなく、問題文や数字を観察して、そこから「解法や答えの可能性」を「推論」するところから始めています。 つまり、0→1ではなく、一旦途中のステップを考えているということになります。 苦手な生徒さんを指導していると、この途中のステップに踏み出そうとしない方が多いです。 「分からないから途中のステップにはいけない。」という考え方もあるかもしれませんが、例えば文章題であれば、自分で問題に書いている数字や条件を書き出してみる、図形問題であれば自分でも図形を書いてみて、辺の長さや角度などを書き込んでみる、そういった「はじめの一歩」を踏み出してもらいたいところです。 車で移動するシーンに置き換えると、道が分からないから発車しないのと同じです。アクセルを少し踏んで前に進んでみると、景色が変わって目的地への行き方が分かるかもしれません。 ではなぜ彼ら、彼女らはアクセルを踏まないのでしょうか。これも原因があると思います。人によって原因は違うでしょうが、私どもの経験上では、「今までたくさん間違えて来たので、間違えることを極端に嫌がっている(自信が無い)。」「間違えることで、指摘されたり、叱られたりするのが嫌だ。(恐れ)」「単にめんどくさい。(放棄)」という感じでしょうか。 こういった状態は、「苦手期間が長かった生徒さん」ほど顕著に現れます。生徒さんたちにお話を聞くと、「小学校3年生から6年生までずっと算数の授業は地獄だった。」という感じで言ってくれる人もいました。 「地獄」に感じたものを、急に好きになるということはありませんよね。そういった状況になっている生徒さんの場合は、今中学1年生だから、中1の学習をすれば良いかというと、やはり厳しいところがあります。「前提とする知識が無い。」「嫌気がさしている。」という状況ですから。 対応方法としては、時間は掛かりますが「小学校3年生や4年生」から復習すべきなのだと思います。もちろん定期テストや、受験という現実はありますが、いきなりそこに立ち向かえ!というのは、厳しいものがあります。当時は3年生の内容が難しかったかもしれませんが、今だったら理解・解ける可能性が高いです。しかし、理解させるだけでなく、定着もさせないといけないので、演習量も必要になってきます。だから、1日・2日での改善は難しいです。 保護者さんや周りの大人は寛容な姿勢で、彼ら・彼女らの回復の時間を確保してあげて下さい。いずれにせよ、基本的な算数が出来ないままだと、将来大人になった時に困る場面も増えるでしょう。だからこそ、しっかり時間を掛けて復習に取り組んで下さい。 カテゴリー: セルモの教室長BLOG 忠生教室 教室のこと 木曽教室 鶴川教室 2023.03.08