セルモの教室長BLOG

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公文式の功罪

以前も何度か本blogで書いたことがありますが、公文式の功罪は大きいなと常に感じます。

特に、体験授業が多いこの時期に感じることが多いです。

先週末も体験に来られた生徒さんは公文式の出身者だったのですが、とにかく公文式の癖が強く付いていて問題が解けない・・。

公文式の功績としては、比較的安価に寺子屋形式で勉強の機会を提供したことでしょうか。多くの小学生が小さなうちから公文に通っています。その方式は、世界にも広がっており、特に発展途上国では非常に喜ばれているようです。

一方で悪い点は、生徒の特徴に合わせた指導が出来ておらず、人によっては逆に勉強が出来なくなると言うことです。特に算数・数学においては、その特徴が顕著です。

一番の問題点は皆さんお分かりの通り、公文式では算数に暗算を推奨することです。小学校1・2年では、その暗算はメリットになる点も多いのですが、現在の学習指導要領上では、小学校3年生以降の算数ではデメリットになる生徒のほうが圧倒的に多いのです。確かに一部の生徒にとっては、問題を解くスピードアップに繋がります。しかし、多くの生徒にとっては不正確に繋がるだけで、あまりメリットがありません。

では、公文式のやり方をやめて、スタンダードな方法に戻すことが簡単に出来るかと言うと、これがなかなか難しく、当教室を含め学習塾に転塾した際の大きなハードルになります。大人からすれば「そのやり方では正解出来ないのだから、修正すれば良いだけでしょ?」と思いがちですが、子供達からすれば「今まで推奨されてきた」やり方を突然否定される訳ですし、手を動かす回数も増えますので、正直面倒な訳です。

他にも色々課題があります。算数で言うと、圧倒的に文章題・図形の問題が足りない。公文で高校の数学まで進む中学生も多いですが、学校の教科書の内容は理解出来ていない生徒が多いのはこれが理由です。

他にも英語は文法をあまり学んでいない、国語も教科書に沿ったカリキュラムでは無い・・など、課題が沢山あります。もちろん公文の功績で述べたように、安価に勉強出来る機会を作って頂けたことは素晴らしいことなのですが、結局後から学習し直す範囲や量が多く、それだったら最初から丁寧にやったほうが良かったのでは無いか?と思うわけです。

実は私自身も小学生の頃公文さんにお世話になっていましたが、結局学習塾に行った時点でそのやり方では通用しないことが判明し、塾の先生にずいぶん修正されたものです。

今回体験に来られた生徒さんも、薄々は「このやり方では駄目だ」と思っていたようですが、スタンダードな方法で問題を解いてみたところ、きちんと正解が出るようになったので帰宅後に保護者様に「やはりあのやり方では駄目だ」ということを仰っていたようです(笑)。

公文式を否定する訳ではありません。しかし、向いている生徒さん・向いていない生徒さんがいることを保護者さんは見極める必要があると思います。向いていない場合の修正は本当に大変です(笑)。


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2017.02.06

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