セルモの教室長BLOG

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10ヶ月は待ちすぎ

yahoo!ニュースに、発達障害の診察が10ヶ月待ちという記事が出ていました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170121-00000023-asahi-soci

確かに、診察はとても待ちます。当教室の生徒さんの保護者様・ご相談に来られる保護者様等から入ってくる情報では、2ヶ月待ちくらいが平均でしょうか。

それも初診がそういう状況ですので、本診察はさらに1ヶ月後・・、結局診断結果が出るまで数ヶ月が普通です。ニュースにある10ヶ月待ちというのは、非常に相談が多い病院の場合そういった事例もあると聞いています。

しかしさすがに10ヶ月は待ちすぎと思います。10ヶ月子供は成長し続けます。できるだけ早く子供たちの発達上の課題を明確にし、対応を進めたいところです。

当教室にもそういった「なかなか診断が受けられない」というご相談がよくありますが、小中学校の生徒さんの場合、まずは地域の教育センターに行かれることをオススメしております。教育センターでも発達検査(WISC)を実施しており、専門の職員の方が発達の状況を診断してくれます。ただし病院ではないので、治療についてのアドバイスなどはありません。

※よって、教育センターと同時に専門病院の予約もオススメしております。

それでも、何が課題で今の様々な状況や困難が発生しているのかということは分かります。それだけでも非常に貴重な情報です。IQ値も分かりますので、学習に対する困難さも把握することができるでしょう。

ずっと悩まれている保護者さんがWISC検査を受けられると、やはりなかなか厳しい結果が出ることも多いです。しかしずっと悩んでいても前に進みませんので、まずは行動してみることが大事と考えます。

発達障害をお持ちの生徒さんを見ていますと、やはり小さな頃に診断をきちんと仰ぎ、周囲が適切にフォローされてきた場合と、そうでない場合の差は大きいと考えます。後者の場合、顕著に見られるのが二次障害と言われるものです。簡単に説明すると「発達障害を適切にフォローして来なかったために、新たな後天的な障害が出る」というものです。

特にコミュニケーション上の障害が出ているケースを多く見ます。おそらく「叱られたり」「理解されなかったり」といったことが重なり、自信や信頼を無くしているのだと想像します。そうなってしまった生徒さんは、正直なかなか学習面での対応は難しくあります。

※コミュニケーションの障害と言っても、単に会話ができる・できないという問題ではなく、「アドバイスを受け入れない」「やってはいけないことを繰り返す」「石のように固まり、何もしない(緘黙症ですね)」といった事柄も含みます。

当教室でも過去に何名かの方は、どのように工夫してもコミュニケーションが難しくご退塾されたケースもあります。いつも思うのは、もう少し早く対応されていたら状況は変わっていたのでは?ということです。

※もちろんそれは結果論であり、一概に言えるものではありませんが。

話は冒頭に戻りますが、この10ヶ月待つという状況は、国がもっと積極的にこの問題に取り組むこと、またご家庭においても教育センターや児童相談所への相談など様々なアプローチを検討し、少しでも子供さんの状況を把握できるようにすることが大事と考えます。

それ以上に大事なのは、社会がこの問題に関心を持ち、それぞれが正しい知識を身につけることと考えます。難しい問題ですが、みなが真剣に考え行動することが大事です。

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2017.01.22

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