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落第制度があるか無いかの違いは大きい。

辻仁成さんをご存じですか?

40代の方はだいたいご存じで、30代になると「中山美穂さんの元夫?」くらいの認識でしょうか。

作家としてもミュージシャンとしても有名な辻仁成さんですが、現在フランスのパリに13才の息子さんとお住まいです。その息子さんとのやりとりは、日頃Twitterでよく情報発信されているので、私もよく拝見していました。

その辻さんが、読売新聞のサイトに息子さんの成績不振に関しての記事を掲載されていました。以下リンクです。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/network/20161221-OYTEW194823/?from=ytop_os2&seq=18

息子さんが10才の時に離婚騒動があり、その息子さんの心象風景を考えながら息子さんと膝をつき合わせて勉強の話しをされています。息子さんも、様々なフランスでの経験を通じて心が強くなったのでしょうか、自分が変わらないと勉強も進まないと自覚されている点が良いですね。

辻さんも記事の中に書かれていますが、フランスでは中学生でも落第制度がある(というか、落第制度の無い国のほうが少ないです。)ので、日本よりも危機感を持ちやすい環境という面も影響しているかも知れません。

私は個人的に「日本でも落第制度を導入した方が良い」と考えているのですが、その理由としては幾つかあります。

①学力が身についていないのに、次の学年の高度な学習をやっても意味が無い。

②何もやらなくても少なくとも中学三年生まで進学出来てしまうので、子供達に自主性が育たない。

③教える側も、何もしなくても進学出来てしまうので、本気で生徒と接しない。

他にも幾つか理由はありますが、主に上記の3点が問題だと考えています。

海外では税金を使った義務教育なので、きちんと勉強しない生徒は次に進ませないという考えもあるようです。

なぜ日本では小学校・中学校で落第制度が無いのでしょうか。それは、戦後の教育ルールを定めるときに「誰もが少なくとも中学校までは義務教育を受けることが出来る」というルールにしてしまったからです。戦後のベビーブームや高度成長期は、落第制度を作ってもクラス数が多すぎて落第生をフォローする仕組みを作ることが困難だったのかもしれません。

しかし、現在の少子高齢化の状況では、もっと一人ひとりの生徒に目を向けた教育制度に変えていくべきだと考えます。それは甘い話しばかりでは無くて、一人ひとりに厳しさを求める部分も有ってしかりでしょう。そうでないと、先に書いた自主性が育ちません。

ただ、最近では発達障害の問題もあったりしますので、一概に誰しも成績の悪い人を落第させれば良いかという話しではありません。そういった生徒の受け口や制度ももっときめ細やかに設けていくべきです。

日本の教育改革はペースが遅くなかなか進みませんが、こういった案件も含め「自主性が育つ」教育環境を築いていきたいですね。

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2017.01.10

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