セルモの教室長BLOG

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中学3年生、思春期、現実逃避・・・

毎年9月になると、少し嫌な予感がして、現実その予感は当たります。

どういった予感かと申し上げると、中学3年生で塾に登校しなる生徒が1,2名発生してしまうことです。塾だけで無く、ほとんどの場合は学校も行かなくなります。今年も夏休みを通じて若干気になる生徒が居ましたが、予想通りそのような状況になってしまいました。

同級生の情報では、その生徒が通う中学校は夏休み明け多くの不登校が発生しているとのことでした。

毎年理由はほとんど同じです。もう高校に行ける自信が無くなって、家に籠もっている、友達の家に逃げ込んでいる、場合によってはプチ家出をしたり・・と、ほぼ同じ状況というか同じ風景です。

勉強の面で言うとこちらも共通しており、中学3年生ですが、小学校の勉強もままならない状態の生徒が多いです。つまり、勉強に自信を無くしたと言っても、夏休みに急に自信を無くしたわけではなく、ずっと何年も自信は無い状態な訳です。

当教室はもちろんのこと、多くの塾では何とかその生徒に自信を取り戻して貰いたいと考え、一から復習して自信を身につけて貰おうと励まし指導しています。ところが、我々がいくら頑張っても、それらの子供達を誘惑する強敵が現れるのです。

一番の強敵は、学校で同じような環境にある同級生です。彼らは夏休み何も対策を取っていない状況が多く、その生徒からすると同級生は遊んでいるし、羨ましく思えるようです。いまの時代LINEなどで頻繁に勉強の妨げとなるメッセージが送られてきて、段々と現実から逃げる方向に誘惑されます。この時点になると、保護者さんが介入しても生徒の糸は切れているケースが多いです。

学校にも行かないとなってしまうと通常の受験はなかなか厳しいものがあります。成績の問題では無く、欠席日数が多すぎて受験資格を失ったり、そもそも受験の願書を出す・試験に向かうと言うことも億劫になり、結局何もしないまま卒業式を迎える・・というパターンになります。

一部の生徒は、卒業式間際になって保護者さんに泣きつき「やっぱり高校に行きたい・・」と言うケースもあり、保護者さんは一部卒業式後も受験を用意してくれている高校に願書を出しに行くことになります。まだそれらの生徒は直前に踏ん張れたような気がしますが、結局そのタイミングも逸してしまい、何もしないいわゆる「フリーター」になってしまう生徒も地域全体を見ると非常に大勢います。働く分には労働を通じて新たな発見や気づきが有るかも知れませんが、現実的には中卒で労働も難しく夜な夜な同じような環境の友達と街を彷徨いている・・という話を良く聞きます。

このような毎年の風景を見ていると、やはり自信をなくす前に学習対策を取ることの大切さや、長い目で人生やキャリアを考える機会の提供、当然ながら保護者さんや周りの大人が率先垂範して行動するなど、子供達の成長の過程のおける環境の大切さを痛感します。

もちろん、環境は十分にあったけどこのような状況になってしまう生徒も希にいますが、ほとんどの場合は過去を振り返ると様々な課題があった子供達です。保護者さんの責任にするのは簡単ですが、保護者さんもそうなることを望んで子育てしてきたわけで無く、様々な阻害要因が起こってしまったのです。子育てというのは保護者だけがするものではなく、社会全体として支えていかなければいけないと思います。

そのためのさらなるサポートやチェックの仕組みが必要ですが、現状ではそれらの生徒の多くは、マニュアル通りの対応はされているものの、結局最後は放置されています。我々の立場で出来ることも限られますが、生徒の気持ちを聞いて上げたり、時には商売抜きでサポートするケースもありますが、それで踏ん張れた生徒も居れば、やはり自分の気持ちを優先させる生徒もいて、自分達の力の無さにがっかりします。

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2016.09.14

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