セルモの教室長BLOG

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単に「やる気が無い」と判断してはいけません。

「やる気が無い」

その一言は非常に奥深いものがあります。学習が苦手な生徒に対し、周りがついつい言いがちな言葉です。

確かに学習は「やる気」が無いと前に進みません。しかし、学習が進まない理由が「やる気」だけかと言うと、そうでは無いと言うことを理解しなければいけません。

最近ようやく世間的に理解が広がってきた「発達障害」の問題。多動性注意欠陥障害や、学習障害といわれるものが、学習の進捗を阻害します。本当は「やる気」はあっても、「集中出来ない」「覚えられない」「耳から入った情報をうまく処理出来ない」「字がまっすぐ書けない」など、様々な症状が出てしまうわけです。国の研究では、6%の生徒が発達障害を持っているという統計がありますが、これはあくまでも受診して診断がおりた生徒さんの数でありますので、実態としてはもっと多いと判断したほうが良いでしょう。

また他には「ナルコレプシー」という睡眠に関する症状もあります。この症状は、日本人に多い症状と言われており、昼間に強烈な眠気を発し、本人も気づかないうちに眠っている状態を指します。600〜1000人に一人いると言われていますが、学習塾で生徒と接している立場としては、実態はもう少し多い印象です。当教室も開校以来5,6人のナルコレプシーと思われる生徒さんと接してきました。

実際にその症状を持った生徒の保護者さんが、授業に来校した生徒が座ってものの1・2分で突然眠っている姿をご覧になられて驚かれたこともあります。

特に中学生の年齢(15才前後)に多い症状と言われていますが、その原因や治療法が明確になっていない事もあり、なかなか難しい病気です。最近では、睡眠外来など「眠り」に関する専門科が出来るなど、社会的にも注目されはじめています。ちなみに上記の発達障害とナルコレプシーの両方の診断をお持ちの生徒さんを指導したこともありますが、その対応は大変むずかしいものがありました。

このように「やる気が無い」という判断がいかに危険かと言うことがおわかり頂けたと思います。本当に「やる気」だけの問題かどうかは、多数の立場できちんとそのお子さんを観察し、特有の症状が合った場合は専門科に相談することが必要です。

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2016.05.07

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